グルテンフリーで効果がないケースにも2通りある。ひとつはダイエット効果を期待していた場合、もうひとつが何らかの健康トラブルの回復を期待していた場合である。
この2つのケースについて、順に解説をくわえていこう。
1.グルテンフリーに痩身効果を感じないケース
すでにかなりの肥満体型か肥満体質、あるいはメタボなら、本格的な減量計画が必要だ。
この場合、小麦をやめるだけでは十分な効果は見込めない。小麦食品だけでなく、グルテンフリー食品も思いきって遠ざけるべきと指摘する医師は少なくない。
グルテンフリー食品は免疫システムや中枢神経にこそ影響をおよぼさないが、食後高血糖を経て、インスリンの大量追加分泌を引き起こす。小麦同様、内臓脂肪を沈着させて、体重を増やすのだ。
だから、グルテンフリーに十分な減量効果を求めるなら、グルテンフリーダイエット(小麦の除去)だけでは力不足だ。
ここでいうグルテンフリー食品は、単にグルテンを含まない食品という意味合いではない。グルテンの代わりにほかの炭水化物――米やもち、じゃがいも、とうもろこしなどを使った食品、あるいはこうした炭水化物そのものである。
注意が必要なのは、これらのなかには、小麦と同等かそれ以上に血糖値をあげる性質を持つものもある、という点である。
パン | 白米 | 粥 | 餅 | 大福 | 馬鈴薯 | 飴玉 | 砂糖 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
GI値 | 89 | 75 | 88 | 82 | 88 | 96 | 108 | 59 |
GI値は、各食品の糖質がどれだけ血糖値をあげるかの指標。くわしくは「GI値(Glycemic Index)」。
小麦をやめたのに痩せないじゃないの、といぶかる前に、ほかの炭水化物を取り過ぎていないかどうかに目を向けてみてほしい。日常的に食べている食品のGI値と糖質含有量くらいはかならずチェックしておきたい。
当ブログでは、さまざまな食品のGI値や糖質含有量、カロリーなどを一覧表にして、食品種別にアップしている。いまのところネットには使い勝手のいい一覧表がない様子だったので、自分用に作成したものだ。ぜひ活用してほしい。
食品一覧表の見方解決策:糖質制限
というわけで、本気でダイエットを成功させたいなら、糖質全般を減らすことだ。
これまでのデタラメな食生活――小麦を中心とした炭水化物の過剰摂取によって、すでに体内にインスリン抵抗性が生じているとしたら、小麦断ちだけでは不十分だからだ。どの炭水化物を食べても、インスリン抵抗性によってインスリンが過剰分泌され、体脂肪増加に拍車をかけてしまう。
いったんそうなったら、小麦の糖質をほかのタイプの糖質に置き換えるだけではもう遅い。糖質制限に目を向けよう。
2.グルテンフリーで健康効果を感じないケース
グルテンフリーには以下のような健康トラブルに効果があるとされる。
だが実際にグルテンフリーを実践しても、以上のような症状の改善が見られない人がいる。なぜか。
簡単な話だ。あなたのその症状は、グルテンによるものではなかったというだけである。自分にマッチしなかったからといって、グルテンフリーなんて効果なしなどと喧伝するのはよそう。グルテンの弊はいくつもの研究ですでに明らかになっている。
代案:糖質制限
ではグルテンフリーが健康トラブルの解決に役立たなかった場合、次はなにをすればいいのか。糖質制限をおすすめしたい。
ご存知のとおり、糖質と生活習慣病の深い関わりを指摘する専門家は多い。糖質を断つだけで、そうした症状がぐんと軽減する例はごまんとある。試してみてソンはないだろう。
糖質制限食(糖質制限ダイエット)のやり方
この記事もぜひご覧いただきたい。グルテンフリーが手軽に手に入るショップやおすすめの食品を厳選してご紹介している。
う、うまい! グルテンフリー食品のおすすめ グルテンフリーに便利なネット通販ショップ10選!