グルテンフリーとは?

品種改良

「グルテンは、肥満、糖尿病、心臓病、がん、認知症、うつ病および他の多くの現代の病気の主な原因である」

by マーク・ハイマン(米国で活躍する医学博士、ベストセラー作家、教育者、TV解説者)

グルテンフリーをひと口でいってしまえば、小麦製品と完全にサヨナラしよう、というライフスタイル。なにせ、小麦はいま、たいへんなことになっている。

「食べるな、危険!」「寿命が縮まる」「あらゆる生活習慣病の原因だ」として、アメリカを中心にヨーロッパ各国で敬遠され、忌避されだしているのである。

わたしたちニッポン人はほとんど知らないが、じつは半世紀前、小麦には大規模な品種改良がほどこされた。世界的飢餓の撲滅、という大義名分のもと、病気や干ばつへの抵抗力を高め、収穫量を増やすことを目的に、異種交配や遺伝子移入が繰り返されたのだ。手掛けたのは、ロックフェラー財団。メキシコ政府が後ろ盾になった巨大プロジェクトだった。

この仕事の皮切りは、太平洋戦争のさなか。1980年ごろまでつづいたそうだ。その間につくられた新品種は数千にもおよび、いまや地球上の小麦の99%以上がそれらに置き換わっている。

かのロックフェラーの手になる仕事だからして、当初の目的は完璧に果たしたという。なにしろ、農家一戸あたりの平均収穫量はいま、1世紀前の10倍。目的完遂どころか、先進国ではすでに救急過剰におちいっており、ありとあらゆる食品に小麦が使われるようになっている。小麦はだれもが簡単に手に入れられる、もっとも安価な食品のひとつになったのだ。

とまあ、ここまでなら万々歳の拍手喝采。なーんの問題もないのだが、じつは品種改良の過程で、彼らはひとつやっかいな失態を演じていたのだ。

動物実験や、人体への安全性試験を一切やらなかったのである。ときは第二次大戦中。遺伝子組み換え作物の危険性が一般に知られることとなるのはずっとあとのことで、当時、そういう問題意識すらなかったという。

第二次大戦

もちろん、現在は規制がある。が、時すでに遅し。すでにわたしたちが毎日口にしている小麦には、重大なバグが存在しているのだ。このため、日常的に小麦を食べている現代人はすべからく知らぬ間に肉体を犯されており、これが生活習慣病の大きな要因になっている、というのだ。

最大の欠陥は、たんぱく質と糖質の変化である。

小麦に含まれる代表的なたんぱく質「グルテン」の構造が大幅に変化し、毒性を持つにいたった。さらに、この有害グルテンの含有量自体も増加している。

グルテンの毒性の話はこの記事に書いたが、この結果としてグルテンの過敏症(グルテンアレルギー)や、さらに重篤なセリアック病の患者が近年、急増中である。

また、小麦の糖質は「スーパー糖質」に生まれ変わった。スーパー糖質のなんたるかをひとことでいうと、小麦を食べると血糖値がチョーアガルということ。角砂糖をかじるより、小麦のパンのほうがよほど急激に血糖をあげるのだ。

人体が受けるダメージはすさまじい。なにしろ糖質は病気の製造工場だ。

とにかく、人間の肉体に小麦がどんな影響を与えるかを知ったとき、ふだん公害と汚染食物にまみれて暮らしているわたしでさえ、一瞬、背筋がヒヤッとしたものだ。

現代の小麦

このグルテンと糖質の件以外にも、もう2つほど問題点が指摘されている。ひとつは体内のphバランスの破壊、もうひとつは小麦の中毒性(依存性)だ。

たとえば、一気に小麦をやめる(グルテンフリーの食生活を開始する)と3割程度の人が数日から数週間、禁断症状に苦しむことになるという。たえず疲労感がつきまとい、思考力は低下し、いらつくというのだ。中枢神経に作用するモルヒネ様化合物を含んでいるからだ。

わたしも体験ずみだ。小麦を完全に断ってしばらくは体がだるく、頭がぼうっとして、血のめぐりが悪くなったように感じた。すべての動作がトロくなった。

わたしはふだん、凄まじくキビキビしている。わたしの家族はわたしの半径50センチのエリアには入ってこない。ゴツゴツぶつかるからだ。ところがその数週間は、外出時はカミさんに介護老人のように腕を引いてもらうハメになった。

冗談などではない。そのみじめな状態は3週間もつづいたのだ。

海外のグルテンフリー売り場

ロックフェラーの小麦をめぐるこの騒動、もちろん海の向こうだけの問題ではない。わたしたちのまわりには、すでに大量の小麦食品があふれかえっている。ニッポン人にとっても、無視できない、由々しき問題なンである。

刮目してこの先を読み進めてほしい。

もしいま、体調になんらかの異常や不調を感じているなら、グルテンフリーを実践し、ご自分の眼で、身体で確かめてみてほしい。

それにしても、世界を飢餓から救うはずの世紀の大事業が、病気の製造工場になったというのだから、時代のイタズラというほかないだろう。

 

 


photo credit: ilovememphis via photopin cc

3 COMMENTS

びんどろ

時のいたずらではなく、計画的な策略、陰謀という説も根強いです。
陰謀論で検索するといろいろ出てきます。

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