セリアック病を含むグルテンアレルギーの諸症状に悩まされている人は、グルテンフリーを実践するだけで、問題を解決できる、という話をしたい。
グルテン除去で下痢が治まる
下痢が治まる、と見出しに書いたが、実際には、糖尿病や肝臓病、リウマチ、ぜんそく、皮膚炎などが改善、完治する例もある。
ここでちょいと寄り道をする。本題に入るまえに押さえておきたいことがある。わが国にはグルテンアレルギー患者がほとんどいない、という事実である。
いや、正確には「いない」のではなく、「わからない」が正しい。
というのも、わが国では現在、グルテンアレルギーの研究がまるで進んでおらず、先のような症状があっても、医療現場でセリアック病やグルテン過敏症が疑われることはかなり稀なのだ。
読者諸兄がもし、セリアック病やグルテン過敏症であったとしても、診断のくだる可能性はゼロに等しい。
なにかの検査――アレルギー検査や血液検査などでたまさか見つかった、などという僥倖にめぐまれる可能性もない。
グルテン過敏症やセリアック病の検査は特殊なものであるし、小麦アレルギーとは異なる性質を持っている(抗原が異なる)からだ。
米国のセリアック病患者は百数十人に1人。グルテンアレルギーは20人に1人いるという。過去50年で発症率は4倍になっている。普通に考えれば、日本にも潜在的な罹患者は相当数いるはずだ。もし、身に覚えのない体調不良が続いている、というなら、グルテンアレルギーを疑ってみるのも一手だろう。
話を戻そう。
セリアック病の患者、あるいはグルテンに過敏な人が、グルテンフリーを生活に取り入れると、次のような症状が改善あるいは解消する。
下痢や腹痛、栄養失調などセリアック病の症状が治まる
- 慢性的な下痢、腹痛、重度の栄養失調
なンだが、じつは患者の半分にはこの症状が見られず、
- 関節炎や偏頭痛、神経障害、精神疾患、不妊
といった症状があらわれるそうだ。もちろん、なかには両方の症状が見られる患者もいるのだろう。
セリアック病の治療には、厳格なグルテン除去食が不可欠だ。アレルギーである以上、完治することはないが、症状のほとんどを抑えこむことができる。
重症患者の場合、グルテンフリー食と同時に免疫抑制剤を使用するケースもあるという。
この一方で、セリアック病ほどセンシティブでないにしろ、グルテンに身体が過敏に反応してしまう、という人たちが存在する。
これがグルテン過敏症(グルテン不耐症とも)、いわゆるグルテンアレルギーである。
グルテンアレルギーの症状が改善、完治する
直接または間接的に関わっている病気は無数にあるといわれている。
たとえば、
- 糖尿病
- 肝臓病
- ぜんそく
- 自己免疫疾患(関節リウマチ、全身エリテマトーデス、ぜんそく、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、クローン病、橋下病など)
- 皮膚疾患(疱疹状皮膚炎や乾癬など)
- 神経障害
などがそうだ。
こうした症状が、グルテンが原因で引き起こされているなら、グルテンフリー食によって改善、解消するはずだ。