セリアック病、グルテン過敏症(グルテンアレルギー)の検査方法

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セリアック病やグルテン過敏症については、以下に書いている。ここでは説明しない。

グルテン過敏症(グルテンアレルギー)やセリアック病の検査方法はこの2つ。

  1. 血液検査
  2. 遺伝子検査

1.セリアック病、グルテン過敏症(アレルギー)の血液検査

グルテン過敏症やセリアック病の血液検査は、保険のきくIgE抗体検査(即時型アレルギー検査)ではない。保険適用外(自由診療)のIgG抗体検査やIgA抗体検査(どちらも遅延型アレルギー検査)となる。

このため、病院で検査を受けると、費用が4~5万円程度かかるうえ、現在の日本では一部の医療機関でしか、遅延型アレルギー検査を実施していない。

グルテン過敏症

遅延型アレルギー検査、IgG検査キット

グルテン過敏症の人は、小麦グルテンに対するIgG抗体スコアが高確率で高い。だから、小麦グルテンほか全96種のスコアをまとめて調べられるIgG抗体検査(写真)でおおむね判定が可能。

これは、あるクリニックの遅延型アレルギー検査の費用だ。どこの病院もおおかた似たようなものである。

初診カウンセリング3500円
小麦グルテンほか全96種のIgG抗体検査4万円
2回目検査についての説明5000円

この検査は、自分でキットを買っておこなうこともできる。病院が使っているのとまったく同じものだが、自分でやると安あがりで、結果も早くでる。

\「医療従事者のみ購入可能」という文言が出るが、購入可能だった/

IgG検査キット

小麦グルテンだけでなく、全96種のアレルギーを同時に調べられる点で、このキットはおすすめ。ただし、小麦グルテンのIgGスコアが陰性でも、グルテン過敏症の疑いは完全には晴れない。IgGの代わりにIgA(こちらも遅延型アレルギー)のスコアが高いケースもあるからだ。グルテン過敏症かどうかの確証を得たい、というのなら、次のセリアック病の血液検査をおこなうべきだ。

グルテン過敏症は 「腸症状を伴わないセリアック病」とも呼ばれ、セリアック病と同じ判定マーカーを利用できる。この判定マーカーによって、高精度でグルテン過敏症を診断できる。

セリアック病

セリアック病の血液検査では通常、「抗グリアジンIgA (AGA-IgA)」「抗グリアジンIgG(AGA-IgG)」「IgG抗組織トランスグルタミナーゼIgA(tTg-IgA)」の3種の抗体スコアを調べる。

このうち、「IgG抗組織トランスグルタミナーゼIgA」は、セリアック病やグルテン過敏症の判定マーカーとして用いられている。

費用はこちらを目安にしていただきたい。とある病院での検査料金。

初診カウンセリング3500円
セリアック病検査3万3000円
2回目検査についての説明5000円

この検査も、自分でキットを買っておこなうことが可能だ。そのほうが安いし、結果も早くでる。

セリアック病の検査キット

IgG抗体検査に際しての注意点

グルテンを摂取すると、2~72時間後にIgG抗体が出現。このIgG抗体は血中で21日間活性し、免疫細胞では2~3か月くらい活動をつづけている。グルテンを除去しても、3か月間(最長1年)くらい症状が続くこともあるという。

いいかえると、3か月もグルテンフリー食をつづけていたら、血液検査をおこなっても陰性になりかねないということだ。検査をするにあたっては、数日前、数週間前からグルテンフリー食や糖質制限食を中断し、できるかぎりバラエティに富んだ食品を摂取する必要があるということだ。わたしはそうした。

セリアック病の血液検査に際しての注意点

IgA欠損症という免疫不全症の場合、結果が正確に出ない可能性がある。検査のまえに、内科でIgA欠損でないかどうかを調べておくと準備万端である。このあたりは、検査を受ける医療機関か、検査キット販売元に事前に確認してみていただきたい。

2.セリアック病、グルテン過敏症(アレルギー)の遺伝子検査

血液検査より正確なのが遺伝子検査。

唾液を採取しておこなう。高精度でセリアック病あるいはグルテン過敏症かどうかがわかる。グルテンにアレルギーのある人は、「HLA DQ2」「HLA DQ8」というDNAを遺伝的に持っており、HLAの型や数値を調べることで、判定をおこなうしくみだ。

HLAとは?

ヒト白血球型抗原(Human Leukocyte Antigen)。A、B、O、AB型が赤血球の血液型なら、HLAは白血球の血液型。免疫システムの頭脳とも呼ぶべきもので、異物と自己細胞を区別する働きをになっている。ちなみに、「HLA DQ2」「HLA DQ8」を持っているからといって、みんながグルテンアレルギーを発症するとはかぎらない。発症率は3%強。

こっちも自由診療だが、3万円ほどでおこなえる。希望するなら、遺伝子検査を実施している医療機関を探して聞いてみればいい。

そういえば以前、IT企業のDeNAが遺伝子検査の通販ビジネスに参入したという新聞記事を読んだ。調べてみたところ、郵送でのやりとりでセリアック病(つまり、グルテン過敏症の判定も可能)の検査が可能らしい。セリアック病だけでなく、がんや生活習慣病など計280項目にわたる遺伝子検査をしてくれるらしい。

DeNAの遺伝子検査サービス「マイコード」

検査費用は3万円ちょっと。けっして安くはない。

グルテンアレルギーを疑っているなら、まずはグルテンフリー食を最低3週間実践し、その後、小麦食品を食べてみて、身体の反応を注意深く観察する、という方法がやはり安あがりだし、いまのところ最良だろう。グルテンを除去したら体調がぐっとよくなり、食べたらもとに戻った、ということなら過敏症の可能性は高い。

検査は、それからでも遅くないはずだ。

 

2 COMMENTS

鈴木

セリアック病の検査を行えばIgG食物アレルギーもできる。遺伝子検査を行えばIgAもIgGも判定でき、他の項目も調べることができる。
IgG抗体検査<セリアック病検査<遺伝子検査と考えてよろしいのでしょうか。
あとIgA欠損の検査は普通の内科でやってる検査なのでしょうか。

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葉山

はじめまして、葉山です。こんにちは。

まず、セリアック病の検査ですが、これは単にセリアック病かどうかを判定するためのものです。IgG抗体のスコアはわかりません。IgGを調べるなら、IgG抗体検査が必要です。

IgG抗体検査は病院でも個人でもできますが、セリアック病の検査は医療機関でしか受けられないようです。

参考/アンブロシアのセリアック病のページ

遺伝子検査では、セリアック病の判定ができます。でも、アレルギーの有無はわかりません。IgAやIgGのスコアはわかりません。

参考/DeNAの遺伝子検査の検査項目

というわけで、どれが上とか下とかいうことでなく、それぞれ別物です。

IgA抗体検査は一部の医療機関でできますが、一般の病院ではやっていないと思います。検査キットは米国の「US BioTek」という会社のものが主流(というか、そこの製品しか目にしないので、たぶんパテントを持っているのでしょう)ですから、そこの総代理店のアンブロシアと提携している病院へ行く必要があります。

対応医療機関については、アンブロシアに直接お問い合わせください。

あと、お返事の内容に齟齬やあやまりがあると困りますので、詳細はやはり検査キット販売元か医療機関に直接お問い合わせくださいね。

どうぞ、お大事になさってください。

葉山拝

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