アミロペクチンA、B、Cの違い

アミロペクチン構造式

小麦のでんぷんは複合糖質。

複合糖質というのは、単糖(ブドウ糖か果糖)が鎖状に7つ以上連結した高分子化合物のことだ。多糖類とも呼ばれる。小麦のほか、米や麦類、そば、きび、あわなどのでんぷんは複合糖質だ。

これに対し、単純糖質というものがある。こっちは単糖が2つ結合したもので、二糖類と呼ばれる。ショ糖と乳糖がある。

通常、単糖の結合数が多いほど、甘味が少なくなり、体内への吸収はゆるやかになる。ショ糖(砂糖)などの単純糖質にくらべて、穀類の複合糖質は身体への負担が少ないというわけだ。

医師や栄養士が、砂糖のたっぷり入ったチョコレートやあめ玉、ジュースでなく、穀類からのカロリー摂取をすすめるのはそのためなのだ。

アミロペクチンA、B、Cの特徴

ところが、小麦の糖質アミロペクチンAにはどういうわけだか、この常識があてはまらない。

単純糖質よりずっと効率よく吸収され、砂糖よりはるかに血糖値をあげるのは、「小麦のGI値と血糖上昇は、砂糖よりすごい」に書いたとおりだ。

なにしろ、砂糖のGI値(血糖インデックス)は59だが、小麦パンは89。

アミロペクチンにはAのほか、BとCがある。

アミロペクチンBは、じゃがいもやバナナなどに含まれている。こちらも血糖値を急上昇させる性質がある。バナナのGI値は58だが、アミロペクチンBが多いじゃがいものGI値は96(マッシュポテトは80)もある。

アミロペクチンCは豆類に含まれており、これらのなかではもっとも吸収されにくい性質を持つ。

たとえば、大豆のGI値は14。インゲン豆は19、落花生は13、そら豆は30といった具合。このため、アミロペクチンCは胃や小腸でほとんど吸収されず、大腸へと到達し、悪玉菌の餌となっておならの成分になるという末路をたどる。

節分で煎り大豆を大量に食べると、おならがでて閉口することがあるのはそのせいだったのだ。蛇足ながら、おなら対策で、昨年からうちは落花生をまくようになった。

GI値(Glycemic Index)

https://food-hack.com/category/list/

頭のイラストの構造はアミロペクチンAのもの。同じアミロペクチンでも、枝分かれの仕方が異なるらしい。

 

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