オリゴ糖は腸内のビフィズス菌を元気づけて、増やす。乳酸菌も活性化させる。腸内細菌のバランスを整えるなら、ぜひとも上手に活用したいところ。
オリゴ糖の種類と商品によるが、GI値も10程度と低い。血糖への影響をそれほど気にせずに使える。
ただし、オリゴ糖なら何でもいいというわけにはいかない。市販品には純度が低いものが少なくないからだ。なかにはほかの糖類(高GIなもの)を添加したものもある。それではかえって、悪玉菌やカンジダなどを増やしてします。
オリゴ糖を摂取するなら、きちんと目利きする必要がある。
オリゴ糖の種類
オリゴ糖にはこのとおり、さまざまな種類がある。
オリゴ糖は腸内細菌のエサになる。われわれがオリゴ糖を食べると、次はお腹の善玉菌が喜んでそれを食べ、そして増えていくわけである。
ただし腸内細菌にも好き嫌いがある。そこは人間と同じ。
だからなるべく複数のオリゴ糖を同時に摂取したほうが効率がいい。ラフィノースだけ、フラクトオリゴ糖だけというのではなく、いくつかのオリゴ糖がブレンドされているものを選ぶのがベストだ。
代表的なオリゴ糖、それぞれの特徴
代表的なオリゴ糖のそれぞれの特徴を見てみたい。
ラフィノース
ビートオリゴ糖とも。砂糖ダイコンから搾りとられる天然のオリゴ糖で、甘みは少なく(砂糖の2割ほど)、低カロリー。腸から消化されにくいため、大腸までしっかり届く。ビフィズス菌がエサにしている。
フラクトオリゴ糖
低カロリーで、腸管からほとんど消化されないオリゴ糖である。甘みは砂糖の30~50%。蜂蜜やバナナ、アスパラガス、タマネギ、ゴボウなどの中に存在している。しかし市販品の多くは、砂糖を発酵させて製造されている。ビフィズス菌と乳酸菌のエサになる。このオリゴ糖にしか増やせない菌もいる。
イソマルトオリゴ糖
ビフィズス菌を増やすことで知られている。が、腸内でわりと消化吸収されてしまうので、大腸(ビフィズス菌のすみか)まで届くかどうかは疑問だ。砂糖ほどではないものの血糖値を上げる。コクのある甘みを持っているが、甘さ控えめ。麦芽糖を精製して製造されることが多いようだ。
ガラクトオリゴ糖
母乳に含まれているオリゴ糖。といっても、母乳から抽出されるわけではなく、乳糖からつくられている。乳児を育てるのに不可欠な成分。多くの善玉菌(とくにビフィズス菌)を活性させる作用があるとわかっている。
キシロオリゴ糖
麦やトウモロコシ、タケノコなどからわずかにしかとれない、貴重なオリゴ糖だ。ビフィズス菌を増殖させる働きがあるとわかっている。
乳果オリゴ糖
サトウキビの絞り汁から抽出される。オリゴ糖の中でもとくに低カロリー。難消化性が高いので、大腸末端まで届くといわれている。腸内細菌すべてがエサにしている。
ミルクオリゴ糖
ラクチュロースとも呼ばれている。ビフィズス菌を増やす。難消化性で、胃酸や消化酵素では分解されず、大腸まで届いて、ビフィズス菌のエサとなる。
オリゴ糖の選び方 ~純度の高いものを選ぶ
スーパーにならんでいるシロップ状のオリゴ糖(「オリゴのおかげ」「オリゴの甘み」「毎日活き活きオリゴの糖」など)は、オリゴ糖の純度が低い。400~1000円程度と値段は安いけれど、オリゴ糖の含有率が30~55%程度しかない。
原材料に「○○オリゴ糖シロップ」というふうに書かれているものは大抵、オリゴ糖以外にもブドウ糖や果糖、麦芽糖などが使われている。
腸内環境の改善や、腸内細菌バランスの健全化を目的にオリゴ糖を利用するなら、やはりできるだけ純度の高いものを選ぶべき。
オリゴ糖の種類に関しては、とくにこれというものはないが、複数のオリゴ糖がブレンドされたものであれば、腸内善玉菌を満遍なく増やせる。前述のように、腸内細菌にもオリゴ糖の種類によって好き嫌いがあるからだ。
オリゴ糖の欠点 ~値段が高く、低カロリーでもない
オリゴ糖の甘味度は一般に砂糖の4分の1くらい。しかしカロリーは砂糖の8割くらいある。カロリーオフ甘味料ではない。
一般には低GI食品に分類されているが、明確な測定データが見当たらないため、糖尿病の人や糖質制限を行なっている人は摂りすぎないほうがよいだろう。
高純度のオリゴ糖はほかの低GI甘味料と比較すると値が張る。純度が100%近く、5種類程度のオリゴ糖がブレンドされているものは、150g(1か月分)で3000円前後。
腸内環境改善のために毎日少量(スプーン1~2杯)を摂取するぶんにはいいが、普段使いの甘味料としてはステビアやエリスリトール、キシリトールのほうがずっとコストパフォーマンスは高い。