われわれの身体には約30種のビタミンと、約100種のミネラルが必要。これらすべてを含む野菜が、ニンジンである。とくに、万病のもとである活性酸素をとりさるベータカロテンの含有量は相当なもの。非常に優秀な天然のサプリメントなのだ。
一方のリンゴもビタミン類のほか、種々のミネラルや酵素、有機酸をバランスよく含む。放射性物質を体外へ排出してくれるペクチン、腸内の乳酸菌を増やすオリゴ糖なども含んでいる。
だから、ニンジンとリンゴからつくったジュースは朝の栄養補給源として、大変なすぐれもの。朝食の代わりになるし、断食をする人なども栄養補給源として重宝すること間違いなしだ。
イギリスやメキシコではがんの治療にニンジンリンゴジュースを用いていて、かなりの成果をあげているという。
ニンジンリンゴジュースのつくり方
1.ニンジン2本とリンゴ1個を用意する
ニンジンのベータカロテンは皮の部分に多く含まれている。有機栽培なら皮ごと安心して使える。だからわたしは有機ニンジンを使用する。
しかし有機栽培のリンゴはさすがに稀少かつ高価。手が出ない。リンゴは農薬の使用量がめつぽう多い果物なので、わたしは皮をむいて使うことにしている。
2.ニンジンの皮は栄養に富むので、タワシで洗い、皮ごとカット
これで大きめのニンジン2本分である。搾ると、200ccくらいになる。
3.リンゴの皮をむき、同じくカットする
リンゴ1個の皮をむいて、適当なサイズに切る。
4.ニンジンとリンゴをジューサーで絞り、ジュースにします。
うちでは朝、コイツがうなり声をあげる。
以前は、安価な高速分離方式ジューサーを使っていたが、本当はずっとスロージューサーがほしかった。ある日、妻がコンロで電気コードを焦がしてしまったことから、いよいよお許しが出て、わが家へやってきたのである。
金属刃で素材をガンガン粉砕する高速分離方式と違い、スロージューサーは石臼のようにスクリューで素材をゆっくりとすりつぶす。おかげで栄養素の破壊が少なく、大量の空気混入による酸化も防げるのだ。
仕上がりは濃厚かつ均一。高速分離方式のように成分の分離(コップに入れてしばらくすると、上下2層に分かれる)もない。1か月分の小遣いが吹っ飛んだが……。
5.すぐにレモン汁かリンゴ酢を少量加える
レモンとリンゴ酢でつくった自家製サワードリンク。わたしはこれをジュースに少し入れる。
レモン汁かリンゴ酢でもOKだ。あるいはクエン酸やお酢でもよいが、お酢は味を壊すので覚悟が必要だろう。
ニンジンにはビタミンCを破壊する酵素が含まれている。レモンやお酢のクエン酸がその働きを弱めてくれるのだ。
6.オイルを数滴落としてから飲む
ニンジンのベータカロテンは脂溶性。だから油といっしょにとると、ぐっと吸収がよくなる。
というわけで、オイルを数滴落とし、ゆっくりと噛みしめるように飲む。
わたしはえごま油か亜麻仁油を使うことが多い。オメガ3系脂肪酸を一緒に摂れるからだ。ココナッツオイルやオリーブオイルでもOK。
さいごに
市販のニンジンジュースやリンゴジュースは使わない。
生き物は、ほかの生き物の命をもらって命を長らえさせている、というのが自然の摂理である。身体を癒やすために飲むのであれば、生きている、つまり「生」のニンジンと「生」のリンゴからできたジュースであるべきと考えるからだ。
ちなみに普通のジュース(濃縮還元ジュース)は、長時間の熱処理によってペースト状になるまで水分を蒸発させて冷凍保存し、そのあと解凍。水を加えてパック詰めされる。それはもう生きているとはいえないだろう。実際、酵素なども死活している。
ニンジンリンゴジュースを毎朝飲めば、デトックスがぐんと活発に。生活習慣病の予防や治療にも効果絶大である。