ベントナイトは主として、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムのイオンを含んでいる。そのバランスの違いから、ベントナイトにはさまざまな種類があるのだが、とくに一般的なのはこの2つだ。
- ナトリウム型(ナトリウムベントナイト)
- カルシウム型(カルシウムベントナイト)
ナトリウムイオンとカルシウムイオンがバランスよく含まれる、ナトリウム-カルシウム型というのもある。
ナトリウムベントナイトとカルシウムベントナイトの違い
1.ナトリウムベントナイトの特徴
- 吸着性が高い
- 膨潤性が高い
- コロイド特性がある
- pHが高い
ナトリウムの陽イオンを多く含むベントナイト。カルシウム型よりイオン交換容量が大きく――つまり有害物質を吸着する力が強く、その力は細かく粉砕されているほどに増す。
膨潤性(吸水性)もカルシウム型より高い。ただし粘りはカルシウム型ほどではなく、水を吸うとコロイド状になるのが特徴だ。
土木建築用にはナトリウムベントナイトが用いられる。とくに油田やガス田の掘削には欠かせものとなっている。
猫砂に使われているのもこちらだ。ナトリウムベントナイトは、強い乾燥剤として機能するからだ。
吸着性が高いので、脂性肌のケアにはナトリウムベントナイトが向くだろう。
ただし一般にカルシウム型よりpH値が高い(アルカリ度が高い)ので、そのままでは肌への負担が大きい。売り手の多くが、お酢(とくにリンゴ酢)と混合することを推奨しているのはそのためである。
スキンケア用(泥パックやクレイバス用)のほか、食用粘土としても販売されている。が、膨潤性が高いので、消化管を詰まらせる恐れがある。内服で便秘しやすい。
2.カルシウムベントナイト
- 吸着性はふつう
- 膨潤性もふつう
- 粘りが強い
カルシウムの陽イオンを多く含むベントナイト。ナトリウム型より吸着性も膨潤性は低いが、吸収性(有害物質を内部に取り組む力)は高い。このためデトックス剤として、ナトリウム型に劣るというわけでもない。
水を吸うと強い粘りを持ち、ペースト状(粘土状)になる。さらに大量の水を加えると拡散することから、泥パックやクレイバスにはカルシウムベントナイトのほうが向くだろう。
実際、スキンケア用や食用としてよく用いられるのは、カルシウムベントナイトだ。
ベントナイトクレイの産地
ベントナイトの鉱床は、米国、中国、ギリシア、トルコ、フランス、オーストラリア、日本など世界各地にある。日本では、山形、宮城、新潟、青森、島根、岡山などで採掘されている。
スキンケア用や食用としてポピュラーなのは、次の産地のベントナイト。
- スキンケア用:アメリカ、フランス、オーストラリア
- 飲用、食用:アメリカ、オーストラリア
どこのベントナイトでも構わないが、用途が明記されているものを選ぶ必要がある。とくに飲用、食用の場合、
と表記されているものを選ぼう。そうでないと健康を害するリスクが生ずる。
国産ベントナイトで「食品添加物グレード」というのがあるが、NGだ。ワイン醸造の不純物ろ過などに使われているもので、ごく少量の摂取のみを想定している。基準も食品グレードのものよりはるかにゆるい。
スプーン1杯のクレイを毎日摂取しようというなら、やはり「食品グレード」でなければダメだ。
そもそもわが国ではベントナイトの経口摂取は認められていない。従って、食品グレードの国産クレイなどは存在しない。必然、外国産を選ぶことになる。
良質のベントナイトクレイの見分け方
良質のクレイとは次の条件を満たすものである。
- 高い吸着性(陽イオン交換容量)
- 高い吸収性
- 人体に有害な物質(ヒ素や鉛)を含まない
- 汚染がない
- 無臭
- 不純物を含まない(100%火山灰)
- 天日乾燥(機械による高熱乾燥は×)
- 未加工(天然)
肌に直接触れたり、経口摂取するものは、安全性がきちんと担保された製品を選ばなければならない。有害な重金属を含まないかどうかしっかりと検査し、成分分析も行なったものである。
食品グレードのベントナイトの多くは、地下深くから採掘された、環境中の有害物質や放射性物質を含まないものであり、安心して利用できる。
腸のポリープを7年前に切除していますが、腸の手術に当たってしまいますか⁉️
注意点にNGと記載してされていたので…
海外のガイドラインですし正確なところはわかりませんが、腸の手術がNGとされているのはおそらく、手術後に腸管が癒着し消化物の流れが悪くなることがあって、そこにクレイが滞留する恐れがあるからではないかと推察します。
癒着は開腹手術で起きやすく、ポリープ切除のような内視鏡手術では比較的起きにくいとされています。が、まったく起きないということでもないようですので、癒着のないことがはっきりしているケースをのぞき、一般論として服用はNGということになるかと。