みりんはわが国の伝統的な調味料。焼酎に米麹と蒸したもち米を混合し、2か月ほど醸造してからろ過してつくるもので、黄色っぽく透明。そして甘い。
調味料のほか、ひな祭りに飲む「白酒」、正月に飲む「お屠蘇(とそ)」などの原料にもなる。
最近は「みりん風調味料」なるものが台頭しているが、言うまでもなくあれはみりんではない。糖類やうまみ調味料、香料、塩などを混ぜあわせて短時間でつくられるもので、アルコール分は1%未満。味わいもまるで別物。料理にテリやツヤが出るとか、コクとうま味が出るとか、煮崩れしないとか、そういうみりんの長所がひとつもない。
この「三州三河みりん」は、本物のみりんだ。原材料は、北海道もち米や佐賀県産もち米、愛知県産米の米麹、山形県産米の米焼酎だけ。これらをじっくり時間をかけて発酵させる。
「本みりん」を謳うみりんでも、外国産の安価なもち米と米麹、醸造アルコール(原料は主に海外産サトウキビ)、糖類(原料の大半は遺伝子組み換え穀類)でつくられたものは少なくない。そういうものを「本物」とは呼ばない。
葉山
昔の女たちは夕餉(ゆうげ)の支度をしながら、男たちの眼を盗んでみりんをちびちびなめていたそうだ。酒を勝手に飲むのはまずいけれど、みりんは家族の胃袋を預かる自分たちの好きになる。だが、塩味の強いみりん風調味料の出現によって、台所で細君たちが頬をピンクに染めるという、情感あふれる光景も失われてしまったようだ。ひょっとしたらみりん会社の男性社員らは、そのために塩の添加を思いついたのだろうか。しかし塩なしのほうがみりんの消費量は増える。すると会社が儲かる。給料が上がる。いや、そもそも今の女たちは酒を飲むことに遠慮などしないか。
商品詳細
内容量 | 700ml、アルコール度数13.5~14.5% |
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原材料 | もち米(北海道、佐賀県)、米こうじ(愛知県産米)、米焼酎(山形県産米) |
製造元 | 角谷文治郎商店 |
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