糖質って、どうして体に悪いの?

人体図


「糖質が体に悪い」とは聞くけれど、なぜなのかよくわからない——そう感じている人は多いと思います。

テレビや雑誌では「糖質制限」「低糖質」という言葉が飛び交い、コンビニには糖質オフの商品が並んでいる。なんとなく糖質を摂りすぎるのはよくない気がしているけれど、なぜ悪いのか、体の中で何が起きているのかまでは、なかなか説明できない。

この記事ではそこをきちんと整理します。難しい話は抜きにして、「なるほど、そういうことか」と腑に落ちることを目指します。

そもそも糖質とは何か

糖質とは、炭水化物から食物繊維を引いたものです。

糖質 = 炭水化物 ー 食物繊維

白米、パン、麺類、芋類、お菓子、ジュース、これらはすべて糖質を多く含む食品です。口に入ると消化されてブドウ糖になり、血液に乗って全身に運ばれます。ブドウ糖は脳や筋肉を動かすエネルギー源ですから、それ自体は悪いものではありません。

問題は「量」と「速さ」です。

血糖値スパイクが体を傷つける

お菓子やジュースなど糖質の多いものを一気に食べると、血糖値(血液中の糖の量)が急激に上がります。すると体はインスリンというホルモンを大量に分泌して血糖値を下げようとします。その結果、今度は血糖値が急降下する。この乱高下が「血糖値スパイク」です。

血糖値スパイクが引き起こす不調は、集中力の低下、イライラ、強い眠気、疲労感など。繰り返すことで血管にもダメージが蓄積していきます。子どもへの影響についてはこちらの記事でくわしく書いています。

糖質が体に悪い本当の理由——「糖化」という老化のしくみ

血糖値スパイクよりも、もう少し長いスパンで体をむしばむしくみがあります。それが「糖化」です。

血液中にブドウ糖があふれると、体内のたんぱく質と結びついて「AGE(糖化最終生成物)」という物質が生まれます。これが糖化反応です。

AGEとはひとことで言えば、体内に溜まるゴミです。しかもやっかいなことに、一度体内に蓄積されたAGEは排出も排泄もされません。死ぬまでそこに居座り続ける。

AGEが引き起こす悪影響を挙げるとこうなります。

  • 血管を傷つけ、動脈硬化を進める
  • 肌のコラーゲンを変性させ、シワ・たるみ・シミをつくる
  • 腎臓の機能を低下させる
  • 脳細胞の働きを鈍らせる
  • 関節を硬く、もろくする
  • 体内の酸化・炎症を促進する

つまり糖質の摂りすぎは、じわじわと、気づかないうちに体を老化させていくのです。

フライドポテトとチーズバーガーが「老化食品」である理由

AGEは体内で生成されるだけでなく、食べ物からも取り込まれます。とくに多いのは、高温で調理した食品です。炭水化物を多く含む食材を高温で揚げたり焼いたりすると、AGEが大量に生成されます。

フライドポテト、スナック菓子、ベーコン、ソーセージ——これらは糖質が多いうえにAGEも豊富な、いわば「老化の二段攻撃」です。おいしいのに残酷な話ですが(笑)。

はやま

糖質制限をしっかり実践していたころ、肌に変化があったのを覚えています。開始から数日でハリとうるおいが戻ってきた感覚があって、吹き出物も減った。もっとも当時は運動もがっつりやっていたので、どっちの効果かはわかりません(笑)。でも保育園のパパ友に年齢を言ったら「同い年くらいかと思ってた」と驚かれたことがあって……自慢するのも恥ずかしいんですが、まんざら無関係でもなかったのかなと。

現代人が糖質を摂りすぎてしまう理由

糖質そのものは太古の昔から人間が食べてきたものです。では、なぜ現代になって「摂りすぎ」が問題になっているのでしょうか。

理由はふたつあります。

ひとつは糖質の「質」が変わったこと。昔の炭水化物(玄米、雑穀など)に比べて、現代の精製炭水化物(白米、白いパン、砂糖など)は血糖値をはるかに急激に上昇させます。品種改良によって甘みや食感が改良された結果、血糖値への影響が大きくなっています。

もうひとつは運動量が激減したこと。農業や肉体労働が中心だった時代と比べて、現代人はエネルギーを使わなくなりました。摂取した糖質を消費しきれず、体内に蓄積されやすくなっているのです。

さらに現代の食環境も問題に拍車をかけています。テレビ、SNS、コンビニ……。どこを見ても、糖質たっぷりの食べ物の情報に囲まれています。おいしく見えるように加工された食品が手軽に手に入り、気がつけば一日中糖質を摂り続けている、という状態になりやすい。

はやま

自分が体調を崩していたとき、その日食べたものすべてと体調の変化を細かく記録していた時期がありました。続けていると、食と体のつながりがくっきり見えてくる。「なんとなく糖質が体に悪い気がする」という感覚は、みんなうすうす持っていると思うんです。目に見えない変化だから確信が持てないだけで。記録することで、その確信が持てるようになりました。

糖質は「やめる」より「上手に付き合う」

「糖質が体に悪い」と書いてきましたが、誤解しないでほしいのは、すべての糖質が悪いわけではないということです。

玄米や全粒粉、芋類、豆類——。こうした食品に含まれる糖質は、食物繊維とともに摂れるため血糖値の上昇が緩やかです。果物も、食物繊維やビタミンとセットで摂れるので、ジュースとは体への影響がまるで異なります。

問題は、精製された糖質を大量に、しかも毎日摂り続けること。白米を玄米に替える、パンを選ぶときに全粒粉のものにする、ジュースをお茶に替える。そういった小さな選択の積み重ねが、体の中で起きていることをじわじわと変えていきます。

「完全にやめる」は必要ありません。「少し意識する」だけで、十分です。

はやま

糖質制限を厳格にやりすぎると、心が消耗します。外食もままならないし、家族や友人との食事が楽しくなくなる。「毒だ」と思いながら食べるのも体によくない。楽しく、感謝して食べることのほうが、ずっと大切だと今は思っています。

次の記事では、家族に糖尿病や予備軍がいる場合に、今日からこっそりできることをお伝えします。


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