うちの近所に、腕のいい歯科医の先生がいます。
診察の腕はたしかで、子どもの扱いも上手。おかげで娘は今のところ歯科嫌いにならずにすんでいます。ありがたいことです。
ある日、娘の定期検診のついでに「子どもの虫歯を防ぐために、家でできることって何ですか?」と聞いてみました。先生はにこにこしながら、ポイントをいくつか教えてくれました。今日はそれをそのままお伝えします。
はやま
その1:噛みごたえのあるものを食べる
「虫歯予防は、歯磨きだけじゃないんですよ」と先生は言いました。食事の内容も大きく関係する、と。
スルメやナッツ、ドライフルーツなど、よく噛む食べ物を食べると唾液がたっぷり分泌されます。唾液には、食後の口の中の酸を中和してくれる働きがあります。さらに、溶けかけた歯を修復する「再石灰化」を促す効果もあります。
噛む力があごの筋肉と骨を発達させ、歯並びをきれいにするという副次効果もあります。最近の子どもは全体的に噛む力が弱くなっているとよく言われますが、日々の食事で意識できることがあります。やわらかいものばかりでなく、歯応えのあるものをメニューに取り入れてみてください。
その2:食後2〜3時間は何も食べない
食事をすると口の中が酸性に傾き、歯が溶けはじめます(脱灰)。それを修復する唾液の働き(再石灰化)が完了するまで、2〜3時間かかります。
つまり、食後すぐにまたお菓子を食べたり、ジュースをちびちび飲んだりしていると、歯が修復されるタイミングがなくなってしまうのです。「何かをずっと食べている・飲んでいる」という習慣が、虫歯の温床になります。
食事と食事の間はできるだけ空ける。おやつは時間を決めて、食べたら歯を磨く。シンプルですが、これが効果的です。
はやま
その3:フッ素を上手に使う
フッ素には、歯の再石灰化を助ける働きと、虫歯菌を弱らせる効果があります。食べ物にも含まれていますが量が少ないので、以下の方法で補うのがおすすめです。
- 歯科でフッ素を塗ってもらう(3〜6か月おきの定期検診のタイミングで)
- フッ素入りの子ども用歯磨き粉を使う
- 仕上げ磨き後にフッ素入りジェルを塗る
ひとつ注意点として、フッ素入り歯磨き粉は子ども用を選んでください。大人用はフッ素濃度が高く、子どもには適しません。
その4&5:正しい歯磨きと、仕上げ磨きのコツ
先生に歯磨きの正しい方法も教えていただきました。意外と知らないことが多かったので、ポイントをまとめます。
磨き方の7つのポイント
①歯磨き粉は薄く塗るだけ
小豆大の歯磨き粉を歯ブラシにちょんと乗せ、指で薄く伸ばすだけで十分です。泡立てすぎると磨きにくくなります。
②3歳以上の子には手鏡を持たせる
親のひざに頭を乗せて磨いてもらいながら鏡で見ると、歯磨きの感覚が自然に身につきます。
③ブラシは歯に対して垂直に当てる
斜めに当てると毛先が倒れてしまい、表面をなでているだけになります。垂直に当ててこそ、汚れがかき出されます。
④1か所20往復
ブラッシングの基本は、1か所あたり20往復。混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)は磨き残しが出やすいので、とくに丁寧に。
⑤歯の根元を念入りに
歯垢がもっとも溜まりやすいのは歯の根元です。とくに意識して磨きましょう。
⑥ブラシは小刻みに動かす
大きくゴシゴシ動かすと、毛先が溝に届きません。電動歯ブラシのように、5ミリ以下の小刻みな動きを意識して。
⑦すすぎは1〜2回だけ
すすぎすぎるとフッ素が流れてしまいます。1回のすすぎをゆっくり丁寧に行うのがベストです。
はやま
仕上げ磨きを嫌がるときは
子どもが仕上げ磨きを嫌がる場合、たいていは「痛いから」です。怒って無理やり磨くのではなく、まず磨き方を見直してみましょう。
痛くない磨き方を確かめる簡単な方法があります。自分の爪の生え際に歯ブラシを当てて、いつものように磨いてみてください。痛ければ、力が強すぎる証拠です。
また、手が宙に浮いた状態だと力加減がわかりにくくなります。小指を子どものほっぺに当てて支点を作ると、自然に力が抜けます。
なお、仕上げ磨きは9歳ごろまで続けるのがベストだそうです。子どもが自分で磨き始めるのは4歳ごろから。ただし小学校低学年ごろまでは、どうしても磨き残しが出ます。とくに夜は親の仕上げ磨きをセットにする習慣をつけておくと安心です。
歯磨きは、コミュニケーションでもある
娘は毎晩、自分から歯ブラシを持ってきていました。「お願いします」と言って、ひざに頭を乗せてくる。気持ちいいのだそうです。
もちろん虫歯予防のためでもありますが、この数分間は親子のちょっとした時間でもあります。その日あったことを話したり、くすぐり合いになったり。面倒くさい夜もあると思いますが、その習慣を大事にしてあげてください。
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