インターナショナルスクール、本当に必要? メリット・デメリットと選び方7つのポイント

インターナショナルスクールと日本の学校

芸能人やインフルエンサーの子どもがインターナショナルスクールに通っている——そんな話題を目にする機会が増えました。

グローバル化した世の中で、英語が話せる子どもに育てたい。国際感覚を身につけさせたい。そういう気持ちから、インターへの関心を持つ親御さんは年々増えています。

でも、ちょっと待ってください。

インターナショナルスクールとはそもそも何のための学校か。本当に自分の子どもに必要なのか。入れるとしたらどう選べばいいのか。

以前、インターナショナルスクールに通わせている保護者の集まりに参加し、いろいろと話を聞いてきました。帰宅後も調べた。この記事は、その備忘録です。

はやま

結論から言うと、「明確な目的がない日本人家庭にインターは必要ない」というのが正直な感想です。でも、そこに至るまでに、さまざまな立場の方からいただいた反響は、わたし自身の考えを更新してくれるものでもありました。それも含めてお伝えします。

インターナショナルスクールとは何か

まず基本から。インターナショナルスクールはもともと、在日外国人の子どものための教育施設です。転勤や移住で日本に来た外国人家庭が、自国と同じ教育を受けさせるために作られた学校です。

授業はすべて英語。英語を「学ぶ」場所ではなく、英語で「学ぶ」場所です。この違いは大きい。

多くのインターでは入学条件として「海外現地校に3年以上通った程度の英語力」を求めています。英語が苦手だから入学させる、という発想は順番が逆になってしまいます。

構成は幼稚部・小学部・中学部・高校部。すべてそろっているところもあれば、中学部までしかないところも。小学部への入学は幼稚部からの持ち上がりが優先されるため、日本人の子どもが入学を希望する場合、幼稚部(さらにはその前のプリスクール)から準備を始めるのが一般的なルートです。


学費はどのくらいかかるか

率直に言います。高いです。

年間授業料の全国平均は150〜300万円程度。東京都内では200〜400万円台に達するケースも珍しくありません(2024〜25年度データ)。さらに施設使用料・教材費・スクールバス代などを合算すると、年間の総負担は授業料をさらに上回ることも。

入学前にプリスクール(英語保育園)に通わせる場合、その費用も年間100〜200万円程度かかります。

小学部から高校部まで12年間通わせた場合の総額は、2,400万円〜3,000万円以上になる試算も出ています。子ども数人分の大学費用が賄える計算です。

なお、プリスクール(3〜5歳)については、2019年から始まった「幼児教育・保育の無償化」により、条件を満たせば月額3.7万円の補助金を受けられる場合があります。高校部についても、国際的な評価団体の認定を受けた学校であれば、就学支援金の対象になるケースがあります。詳細は各自治体・学校に確認が必要です。


メリットとデメリット

入れてよかったと感じること(保護者の声)

実際に子どもをインターに通わせている保護者から聞いた声です。

「先生たちが日本の教師より教育熱心だ」「子どもに上から何かを押しつけるのではなく、自分で考えて行動するよう仕向けてくれる。自発性が育っている」「いろんな国の友だちができて、楽しそうだ」「自分と異なる価値観を受けいれられるようになってきた」

期待と違った、不満に思うこと(保護者の声)

「子どもも自分も英語が話せなかったので、勉強がたいへん」「日本人の子が多いスクールだったので、思ったほど英語が上達しない」「日本語での表現力が育っていない気がする」「授業レベルが日本より低く感じる」

知っておきたいデメリット

日本語力の低下リスク
インターでは日本語が「外国語」として週2コマ程度しか扱われません。日本の小学校では国語が週5〜8コマあることを考えると、日本語での表現力や思考力が育ちにくいという指摘は的外れではありません。

日本の学校への編入の難しさ
インターの小中学部を卒業しても、日本の義務教育を履行したとはみなされないケースがあります。途中で日本の学校に編入したい場合も、手続きが複雑になることがあります。高校については帰国子女枠で対応できるケースが多いですが、事前に確認が必要です。

学校によって質の差が大きい
しっかりした教育理念を持ち、優秀な教員をそろえたところがある一方、設備が不十分で、教員資格のない外国人を集めてテキトーな授業をしているところも存在します。「インター」という名前だけでは判断できません。


さまざまな立場からの声

この記事を以前公開したとき、インター在籍経験者、海外在住の日本人、国際結婚のご家庭など、さまざまな立場の方からご意見をいただきました。一部を要約してご紹介します。

インター在籍経験者より
「問題児になってしまうお子さんは、純日本人家庭の子に多い。親が無理をして高額な学費を払い、子への期待が大きすぎてストレスがかかっているケースが多い。外国人保護者の間では『また日本人の子か』と言われることもあって残念」

海外留学経験のある日本人より
「協調性・画一性を重視する日本の教育の弊害は大きく、多国籍の環境で積極的に意見が言えない、すぐ謝る、年長者に発言できないなど苦労した。愛国心が強すぎると、自国を批判されたとき感情的になりやすい。自国の良い面も悪い面も知り、相手の文化も受け入れる感覚こそ大事」

アメリカ人の妻を持つ日本人(アメリカ在住)より
「インターに行かせることで親が勝手なアイデンティティを押し付けているだけのように感じる。国際人には『する』ものではなく『なる』もの。本人がなりたくないならならなくていい」

インターに子どもを通わせている親より
「学費は高いが、お金には変えられない経験を吸収していると日々感じる。日本語も毎日あり、土曜は全教科日本語で学ぶ。英語も日本語も問題なく話している」

大人になってから海外移住した日本人より
「財力があればインターに行きたかった。日本の学校は個性を潰し、発想を妨げる部分が多い。反対意見を率直に言えないため有意義な議論ができない。グローバル視点に欠けた日本企業が落ちぶれている理由の一つ」

はやま

これらの声を読んでいると、「正解はひとつではない」ということがよくわかります。家庭の事情、子どもの個性、将来の目標——。それによって答えは違う。ただ、「なんとなく英語が話せるようになってほしい」「インターってかっこいい」という理由だけで年間200〜300万円を払い続けるのは、子どもにとっても親にとっても負担が大きすぎる、とわたしは感じます。

インターナショナルスクールの選び方・7つのポイント

それでも入学を検討したいという方のために、学校選びのポイントをまとめます。

1. 教育方針が子どもに合うか見極める

説明会への参加、学校見学、関係者との対話を通じて、わが子の個性や学習スタイルに合った学校かどうかをきちんと確認しましょう。

2. ナショナルスクールと混同しない

ナショナルスクール(民族校)は特定の国の子どものための学校です。中華学校やドイツ学校などがこれにあたります。インターナショナルスクールは国籍不問ですが、米国式のカリキュラムを採用しているところが多く、混同しないよう注意が必要です。

3. 教育カリキュラムと教育レベルをチェック

日本の法律の規制を受けないため、カリキュラムは独自裁量です。質の高い学校もあれば、設備もカリキュラムも不十分なところもある。見学して自分の目で確かめることが大切です。

4. 英語力不問のスクールは避ける

英語力を問わないインターは、英語力の低い生徒に合わせた授業になりがちで、全体のレベルが低くなる傾向があります。英語力が不安な場合は、先にプリスクールや英会話スクールで英語力をつけてから入学することを検討してください。

5. 日本人生徒が多すぎるスクールは慎重に

日本人が半数以上を占めるスクールでは、子ども同士が日本語で会話してしまい、英語力が思うように伸びないケースがあります。また、外国人保護者からの信頼も低い傾向があります。

6. なるべく老舗を選ぶ

50年・100年の歴史を持つ学校は、それだけの信頼と実績を積み上げてきた証です。設備も整っており、卒業生の活躍ぶりからも教育の質を推しはかれます。

7. 国際的な評価団体の認定がある学校を選ぶ

以下のような評価団体の認定を受けた学校を選ぶと、国際バカロレア資格(IBディプロマ)が取得でき、海外の大学を直接受験することも可能になります。

WASC(Western Association of Schools and Colleges)、CIS(Council of International Schools)、ECIS(European Council of International Schools)、IB(国際バカロレア機構)など。

認定を受けていないのに受けているように見せる学校もあるとか。各団体の公式サイトで認定校を確認することをおすすめします。


結論——目的が明確でなければ必要ない

普通の日本人家庭が、明確な目的なしに年間200〜300万円をかけてインターに通わせる理由は、わたしには見つかりませんでした。

一方、こういうケースなら話は別です。二重国籍児童や帰国子女の子ども、海外の大学進学を明確に目指している、いじめや個性の問題から日本の学校になじめない。具体的な事情や目的があるなら、インターは有力な選択肢になりえます。

「国際感覚を身につけさせたい」という思いはよくわかります。でもわたしは、本物の国際感覚は、まず自分の言語と文化の土台をしっかり持つところから育まれると考えています。日本語で深く考え、日本の歴史や文化を知る。それがあってはじめて、異文化と対等につきあえるのではないでしょうか。

もっとも、これはあくまでわたしの見方です。家庭の数だけ正解がある。大切なのは、「なんとなく」ではなく、子どもの個性と将来を真剣に考えた上で判断することだと思います。

はやま

後日、娘に「外国人の友だちがたくさんいる小学校と、日本人の友だちばかりの小学校、どっちがいい?」と聞いてみました。答えは「うーん。どっちも……。てか、小学校行かなきゃダメかなあ」。大和民族の血を引く者とは思えぬ発言でした。遺憾です(笑)。

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