読み聞かせにおすすめの絵本8選|親が楽しめる本を選ぶのが、いちばんのコツ

絵本の読み聞かせをする母親

読み聞かせで大切なのは、子どもが楽しめる絵本を選ぶこと。そう思いがちですが、実はもうひとつ、同じくらい大切なことがあります。

語り手であるパパやママが、楽しめる本を選ぶこと。

子どもは、親が楽しそうにしていると幸福感を感じる生き物です。親が笑っていると、つられて笑います。語り手がワクワクしながらページをめくっていないと、物語のおかしみも深みも迫力も、子どもの心まで届きません。

はやま

「子どもに良い本を」と考えるのは自然なことですが、親が本気で面白いと思える絵本を選ぶと、読み聞かせの時間がまるごと変わります。

というわけで、わが家で実際に繰り返し読んだ絵本を、年齢別にご紹介します。子どもの成長とともにハマった時期があって、気づけばぼろぼろになってしまったものばかりです。

わが家の絵本たち

1歳から|笑って、遊んで、ぐずりも消える

『だるまさんの』かがくいひろし・作

1歳前の赤ん坊のハートをわしづかみにしたのには驚きました。百発百中なのです。「だ・る・ま・さ・ん・の……」というだけで、むふっ、と笑うのです。

「だるまさん」シリーズの2作目で、メガネをかけたり、歯を見せたり、だるまさんの体の一部が意表を突く形で紹介されていきます。単純なリフレインなのに、最後にはきちんとオチが待っていて、読んでいる大人も「あはは」と思わず笑ってしまう。爺さん婆さんにも効きました。

外出先でのぐずり対策として、3歳くらいまで大活躍。おかげで我が家のものはもうぼろぼろです。補修しまくりです(笑)。

かがくいひろし
出版社ブロンズ新社
おすすめ年齢1歳〜

『きんぎょが にげた』五味太郎・作

指さしができるようになったら、ぜひ手に取ってほしい探し絵本です。

金魚鉢から逃げ出した1匹の金魚が、カーテンの模様に紛れたり、おもちゃ箱に隠れたり、最後は池に飛び込んだりします。探す対象が「ピンクの金魚1匹」だけなので、語彙が少ない乳幼児でも親子で楽しめます。

娘が2〜3歳のころ一番気に入っていたのがこれでした。金魚が池に着いたとき、「そかあ、きんぎょん、さびちかたのかあ」とつぶやいた娘の言葉を、生涯忘れることはないと思います。

作・絵五味太郎
出版社福音館書店
おすすめ年齢1歳半〜

『ねないこ だれだ』せなけいこ・作

夜9時を過ぎても寝ない子どもは、オバケに連れていかれる——こんなデカダンス極まりない絵本です(笑)。

1969年の初版から半世紀以上、読み継がれてきた定番中の定番。おそらく、いまの親御さんの多くが自分も読んでもらった記憶があるはずです。わたしもそうでした。奥付を確認したとき、「やっぱり」と苦笑いしました。

1歳前後は無反応でも、1歳半を過ぎると文脈を理解しはじめるので途端に効果テキメンになります。「ベランダにオバケの影が見えた気がする」と静かに言うだけで、そそくさと寝室へ消えていきます。しかも30秒で読み終わる。忙しい夜の最終兵器です。

作・絵せなけいこ
出版社福音館書店
おすすめ年齢1歳半〜

『きゅうりさん あぶないよ』スズキコージ・作

無言でずんずん歩くきゅうりが登場し、動物たちが「そっちへ行ったらネズミが出るよ!」と必死に止めようとする。でもきゅうりは止まらない。ページをめくるたびに装備が強化されていき、最終的に歩く殺鼠兵器と化します(笑)。

シュールで不条理で、親子で声を上げて笑いました。同じセリフの繰り返しが心地よく、2歳ごろから楽しめます。4歳を過ぎると物足りなくなってくるので、そのころには同じ著者の『おばけドライブ』へ移行するのがおすすめです。

作・絵スズキコージ
出版社偕成社
おすすめ年齢2歳〜

2〜4歳から|世界が広がる、驚きの絵本

『がたごとがたごと』内田麟太朗・文/西村繁男・絵

わたしが一番好きな絵本かもしれません。

文章はきわめてシンプルです。都会の駅から列車が出発し、「がたごと がたごと」と走り続けて、終着駅に着く。それを3回繰り返すだけ。

でも、楽しい。絵に強烈な力があるからです。乗客たちが終着駅に着くころには、化けの皮がはがれています。最初の列車は動物たちで、次の列車は妖怪で、3本目は……内緒にしておきます。

恋人と泣きながら別れていた若い娘が実はろくろ首だったりと、そういう仕掛けを見つけるのがたまらなく楽しい。作者ふたりのにんまりした顔が目に浮かびます。

はやま

作者の内田麟太朗さんに昔、お会いしたことがあります。幼いころ実母を亡くし、そのあと継母から激しいイジメに遭った。それで故郷の炭鉱の街を出て、いろいろご苦労なさったとか。内田さんにとって、故郷はとても遠いものだったのかもしれません。
内田麟太朗
西村繁男
出版社童心社
おすすめ年齢2歳半〜

『きりのなかのはりねずみ』ノルシュテイン&コズロフ・作

ロシアの世界的アニメーション作家ノルシュテインによる短編アニメを絵本化した作品です。

夕暮れどき、小熊の家へ向かうハリネズミが、霧の中でさまざまな体験をします。白馬の幻影、闇の中の物音、川への転落……。幻想的で、美しく、少し怖い。

娘に読み聞かせたとき、自分でページをめくり始めました。暗闇の先に何が現れるかドキドキするのだと言っていました。子どもの好奇心と恐怖心を刺激する絵本です。

わたしはこの本を読んで、小学1年生のとき友だちの家をひとりで訪ねた記憶がふいによみがえりました。見知らぬ土地で道に迷い、不安が押し寄せてきたとき、曲がり角から友人がひょいと顔を出した瞬間のあの安堵感。完全に眠っていた記憶がカチリと戻ってきました。絵本でそういう体験をしたのは初めてのことでした。

ノルシュテイン&コズロフ
ヤルブーソヴァ
出版社福音館書店
おすすめ年齢4歳〜

『どこ? つきよのばんのさがしもの』山形明美・作

はじめて読んだとき、思わず拍手しました。

「絵本」と書かれていますが、正確には「写真集」です。絵筆ではなく、精緻なジオラマ写真がどのページにも見開きでドーンと載っています。迷路のような庭園、水中に沈んだキッチン、古い洋館……。いずれも精巧で美しい。作者のほとばしる情熱、強烈なこだわり、集中力とイマジネーションがビシバシ伝わってきます。

飼い猫のクロを追って、主人公の「ぼく」はそんな場所へ次々と迷い込んでいきます。

娘とおでこをくっつけながら探しっこをして、先に見つけたときの快感といったら。あまり負けが込むと涙目になるので、ころあいを見て勝たせていましたが(笑)。

ちなみにこのジオラマ、1面作るのに2か月かかることもあるそうです。1冊に1年以上。最初「細かい芸をさらりとやる人」と思っていたのですが、全然さらりとじゃありませんでした。ただただお見事です。

山形明美
写真大畑俊夫
出版社福音館書店
おすすめ年齢4歳〜

おわりに|絵本は、親子で育てるもの

読み聞かせをしていると、子どもの反応に驚かされることが何度もあります。難しいと思っていたページで笑い、あっさり読み飛ばせると思っていた場面で真剣な顔になる。

絵本は、親が子どもに与えるものではなく、親子で一緒に育てていくものだと感じます。ここで紹介した本が、どれかひとつでもそういう時間のきっかけになればうれしいです。

はやま

ぼろぼろになるまで読まれた絵本は、その家族の宝物だと思います。

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