フードコンサルタントおすすめの有機・無農薬野菜&安心食材宅配サービス

野菜宅配、食材宅配

わが家では野菜や食材の宅配サービスを過去いくつも利用してきた。健康を損なっていたころ、口にする野菜や果物のすべてをオーガニック(無農薬、有機肥料栽培)に切り替えていたからだ。

お肉は成長ホルモンや抗生物質、抗菌剤などを使わず育てられたもの、お魚は天然の安心なものにし、加工食品も無添加のものをきちんと目利きしていた。

現在はスーパーでもふつうに買い物するようになった。だが慣行栽培(農薬を使った栽培)と有機栽培を比べると、味わいがまるで違う。土の差だろう。オーガニックの農作物はほんとうにうまい。

そんなわけで現在、家庭菜園が持てる土地へ引っ越そうともくろんでいる。自分たちが食べる野菜は自分の手で育ててやろうというわけだ。全力で転校を嫌がる娘の説得に成功したら(これが難題)、明日にでも都会から田舎へ住まいを移すつもりでいる。

葉山
葉山

かといって、親の都合で無理やり転校させるのもかわいそうだから、中学へ上がるタイミングを虎視眈々と狙っている。

しかし、いまはまだコンクリートジャングルのなかに閉じこめられている。そんなわが家が重宝しているのが野菜・食材の宅配サービスだ。ここではわたしのおすすめ宅配サービスを紹介する。

まずは野菜・食材宅配の何がいいのか、という話から始めたい。

毎日の食卓に、彩りとほんものの贅沢感をプラスしてくれる

箱を開けると、四季折々の香り、土のにおいがふわりとたちのぼる。今日はなにが入っているかしら、と毎週届くのが楽しみだ。

うちの娘は、勝手に箱を開けると、目を三角にして怒りだすので、家族が全員そろうまで待たなければならない。

みんなでなかをのぞきこむ。

娘のお目当ては果物だ。手のひらに何かひとつ果物をのせてやる。

その瞬間、ぱっと目が輝く。

その顔といったら(笑)。

娘のそんな表情を見るのが楽しみで、宅配サービスを利用している、という側面もあるかもしれない。

しかし、とにかくうまい。

有機堆肥で育った農作物は、化学肥料でつくられた農作物とくらべて、滋味にあふれ、栄養価も格段に高い。畑の土に微生物がたくさん棲みつき、栄養で満ちみちているからだ。

無農薬のかぶ

しゃきしゃきの葉っぱがついた新鮮なかぶ。無農薬だ。水洗いしてかぶりつくと、さくっ、といい音がする。ほんのり甘い。残りは葉っぱごと和風マリネにした。

薩摩芋

大きなさつまいも。650gもあった。オーブンでじっくり焼いて、半分に割ると、全体に蜜がのっていて、すごく甘い。ほくほくである。娘は「皮もおいしいよ」といいながら、まるごと食べていた。オーガニックなので安心なのだ。

野菜炒め

めずらしいお野菜が届くのも楽しみのひとつ。無農薬のターサイを炒め物にしてみたら、「香港の高級レストラン級のお味ね」と妻。リップサービスと知りつつ、ほおはゆるむのであった。

野菜炒め

無農薬野菜でつくった野菜炒め。駒ヶ岳の伏流水でじっくり育てられたという子大豆もやし、普通の緑豆もやしよりしっかりしていて、炒めるとシャッキシャキ。歯ごたえ抜群。

有機栽培のイチゴ

有機栽培のイチゴは中身がぎゅっと詰まっていて、本当に甘い。でも、わたしのぶんは大方、娘にとられてしまう。

オーガニックのバナナ

BCS認証のエクアドル産バナナ。BCSはドイツのオーガニック認証団体。つまり有機バナナ。バナナは栽培過程で大量の農薬を使用する果物である。無農薬栽培はたいそう骨が折れるはずだ。農家に感謝だね、と娘にいいつつ、あっという間に完食。みずみずしくて、フルーティ。

レタス

いつもの調子でレタスを口いっぱいにほおばって、ちょっと後悔。オーガニックのレタスは、レタスにあるまじき弾力なのだ。繊維も味もしっかりしている。

サラダほうれん草

サラダほうれん草は、水耕栽培でえぐみが少ないため、ナマでおいしく食べられる。葉に虫喰いの穴が空いていたりするが、それこそ安心のあかし。

味噌汁

届いた野菜でお味噌汁をこしらえた。えのき茸は歯ごたえ満点。ねぎは青い部分に不思議なくらい青臭さがない。「このおねぎさん、おいしいね」青ねぎの苦手な娘もぺろり。

有機栽培の玉葱

有機栽培のたまねぎとじゃがいものホイル焼き。じゃがいもはお塩でいただく。うまい。たまねぎの皮は、手でするりとむける。野菜の汁がジュワッとほとばしる。たまらん。いい野菜でないと、こんな食べ方はできない。

野菜や果物だけでなく、安全なお肉やお魚も豊富にそろう

宅配サービスの取り扱う商品は、野菜や果物だけではない。お肉やお魚も豊富にラインアップしている。

当節、子どものいる家庭にとって、海洋汚染が大きな心配の種になっている。しかし東京で流通しているのは、東日本産の魚が中心だ。食材宅配サービスの売り場には、九州沿岸や日本海で獲れた魚も多くあるから、本当に助かっている。

わが家が実際に買って食べてみて、大正解、と感じたものをいくつかお披露目する。食生活がどんなふうに変わるのか、具体的にイメージする手がかりになると思う。

カツオのたたき

かつおの街、鹿児島県枕崎市の漁師が一本釣りしたかつおのたたき。とれたてを船内で急速冷凍。そのまま炭火であぶって真空パック。7~10分の流水解凍で食べられる。絶品である。近所のスーパーのかつおは偽物か、と思うほどくさみがない。魚は生食が一番。からだが栄養を再利用しやすいからだ。毎回、大量に買っている。

鯵の丸干し

「ワタまで旨い! あじ丸干し」という商品。看板にいつわりなし。刺身で食べられるほど新鮮な九州近海あじだから、ワタどころか、頭もまるごと食べている。掛け値なしにうまい。毎回、5箱くらい買う。スーパーのお魚は、干物や切り身にも添加物が使われていることがあるけれど、そういう心配も無用。4尾入り430円と値ごろなのだ。

あじの骨とりフィーレ

日本海で獲れたアジのりフィーレを使って、近ごろ人気のスペイン料理「アヒージョ」に初挑戦。なあに、簡単簡単。オリーブ油と薄切りにしたにんにくで煮込むだけ。味つけは塩のみ。家族にも大好評で、娘ががつがつ食べていた。

日本海で獲れた干物のセット

日本海で獲れた干物のセット。カレイ、カマス、金目鯛、あじなどが3尾以上(300g)入って480円。お買い得感満点。

福井県産の越前白山鶏のもも肉

福井県産の越前白山鶏のもも肉をソテーした。抗生物質も成長ホルモンも使わず、平飼いで育てられたお肉はとてもやわらかく、噛みしめると肉汁がじゅわっとあふれだす。ついで、うまみが口中にすっと広がる。ちなみにこの鶏、亜麻仁を毎日食べているという。

無添加フランクフルト

フランクフルト。食肉加工食品の代表格だから、普通は発色剤やら保存料やら化学調味料がたっぷり。ところが、なんとこれは完全無添加。原材料は、豚肉と豚脂肪、食塩、砂糖、香辛料のみ。いままでで一番おいしい、とは妻の弁。素材がしっかりしていれば添加物などいらない、という好例である。無添加ハムやベーコンもある。じつに美味。

スーパーでは入手困難な無添加食品がたくさんある

大手の野菜宅配・食材宅配サービスは、原材料表示がしっかりしている。食品添加物への意識がものすごく高い。

スーパーの加工食品や冷凍食品は、もはや食品添加物の見本市と化している。けれど宅配サービスの商品は、添加物やトランス脂肪酸を使っていない食品も多く、本当にありがたい。

パン

小麦粉と酵母、塩だけで焼いたパン。レーズンとクルミが練り込んであり、素朴な甘みと歯ごたえは絶妙。スーパーやコンビニのパンは、マーガリンやショートニング、添加物たっぷりだ。

クッキー

マーガリンもショートニングも使わず、固めに焼いたクッキー。ざくざくした食感で、レーズンとカレンツがたっぷり。有機レモンの香りがさわやか。食べはじめると、ひと袋なんてあっという間。

せんべい

いまどきのせんべいは、化学調味料がたっぷり使われている。試しにスーパーに陳列してあるせんべいの原材料表示をチェックしてみてほしい。化学調味料無添加のものなんかほとんどない。

キムチ

無添加キムチ。塩辛できちんと発酵させてつくられているから、乳酸菌たっぷりだ。スーパーのものは、化学調味料と酸味料で味つけした“キムチもどき”。乳酸菌の効果は期待できない。

いま思うと、こうした安全な食べものがあったからこそ、健康な身体をとりもどせたと感じる。

食に感謝、である。

野菜・食材宅配の食べ物が安全かつ安心な理由

どの宅配サービスも厳しい独自基準を生産者に課し、農薬や化学肥料、食品添加物の使用を制限している。だから、わたしたちは家族にも安心して食べさせられる。

たとえばOisixのホームページでは、有機栽培(JAS認定有機栽培)で育った野菜と果物だけを集めたコーナーがある。そこに並んでいるのは、低農薬や無農薬よりさらに厳しい基準で栽培された、検査認証を受けた農作物ばかり。

やれ、無農薬だ、低農薬だ、などと口にしていると、周囲に農薬否定派かオーガニック信奉者だと思われることがある。でも、じつはそういうわけでもない。

農家の人びとには農作物を安定供給する職責がある。害虫被害や病気が広がっているのに何もせず手をこまねいていて、その作物が全滅してしまったら……。国民は飢えることになる。趣味でやっている家庭菜園とは事情がちがう。だから適正な方法で必要最低限の量を使用するぶんには問題ないとわたしは考えている。

が、なかには自分の畑で採れた野菜を口にする子どもたちの姿がイメージできず、農薬あるいは農業そのものに対する不見識も手伝って、必要量をはるかにうわまわる薬剤を使用するケースもある。

家族用の野菜は別の畑でつくっている、なんて話をよく聞くが、そういう生産者のつくる野菜や果物は口にしたくない、というだけの話なのである。

意識の高い農家

とても職業意識が高い生産者の方たち。わたしが言いたいのはこういうことなのだ。

野菜・食材宅配を上手に使うコツ「食品の安全性に固執しすぎない」

口に入れるものすべてを無農薬や有機栽培、無添加のものに置き換える、というのは現実問題として不可能だ。

完璧にやらないとダメだ、意味がない、と神経をとがらせる必要はなく、自分にできる範囲でつづけていけばOKだとわたしは思う。

それでも長期的にみれば、体内に蓄積する有害物質の量には大きな差が生じるからである。

フードコンサルタントがおすすめする野菜・食材宅配

最後に、わたし葉山がおすすめする宅配サービスを紹介しておきたい。

知人によく、結局どこがおすすめ? と聞かれる。なかなか返答が難しい。品ぞろえにはそれぞれ特色があるからだ。どれかひとつに軍配をあげるのは難しいものである。

わが家のようにいくつか試してみるのが、一番手っとり早いだろう。そして気に入ったところを併用する。

というのは、生協を利用したことのある方はわかるだろうが、1社だけだとすぐ飽きるからである。どの宅配サービスも「しばらく休もう」と思い立ったら、1か月でも半年でも配達をとめておくことができる。キャンセル代といった無粋なものはとられない。

大地を守る会

業界では老舗の宅配サービス。有機食材が中心で、農薬の使用基準は業界でいちばん厳しい。放射能検査もしっかり行なっていて、しかもその基準は国の5倍も厳しい。食材への食品添加物の使用も基本的に認めていない。

とにかくずば抜けて安全基準が厳格。小さな子どもや妊娠女性のいる家庭におすすめだ。

Oisix(オイシックス)

業界最大手の宅配サービス。Webサイトで必要なものを一点ずつ選んで購入するスタイル。ネットショッピングに近い感覚で利用できる。

売り場の商品情報がどこより充実している。生産者の顔が見えるし、それぞれの商品の食べ方やレシピなども説明してくれる。買い物を楽しみたい方におすすめ。

共稼ぎのご家庭やワーキングマザーに人気なのが、時短料理キット。夕食の材料とレシピがセットになって届くもので、20分ほどでほかほかの手料理がさくっとつくれる。

らでぃっしゅぼーや

定期便で届くのは、その季節に収穫された旬の野菜や果物。すべてが無農薬か減農薬栽培の農作物で、一つひとつの野菜や果物がどこの農園で栽培され、農薬を使っている場合はなにを何回使ったのかまで別紙にきちんと記されている。

食品添加物への意識がとにすくずば抜けて高いのも特徴。スーパーの棚にある加工食品や冷凍食品は、もはや添加物の見本市と化しているが、らでぃっしゅぼーやの商品は余計な添加物やトランス脂肪酸などを使っていない食品がほとんどだ。

野菜・食材宅配サービス選びのコツ

ここで紹介したサービス以外にも、昨今はたくさんの野菜宅配や食材宅配が登場している。けれど、この手のサービスは名の知れたところのほうが安心だろうとわたしは考えている。

日本でも食品偽装や景品表示法違反はもはや常態化していて、オーガニック食材も例外ではない。

よく知らない会社は信用できないし、新規参入組や小さな会社はそもそも資金不足や人手不足で、栽培農家の開拓や生産管理なんかに十分手がまわらないのではなかろうか、と想像するからだ。残留農薬や放射能の検査などは、費用と手間がかかるものである。

利用者が多いところは、流通面のアドバンテージもある。配達料金が安いとか、である。

もちろんこれはわたし個人の意見だ。

2 COMMENTS

京子

日本での無農薬の食べ物を探していて、このサイトを見つけ、読ませていただきました。
アメリカにいるのですが、こちらでは町に無農薬食品(Organic Food)だけを売っている
お店があり、簡単に手に入ります。 11月に日本に戻るので、こちらで紹介されている
ところから、Organic Foodを買えることを知り、よかったです。
情報、有難うございました。

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葉山一郎

いえいえ。お役に立ててなによりです。オーガニック食品や無添加食品、海外ではほんと簡単に手に入りますよね。そもそも日本のように添加物まみれの食品自体が少ないですし、農薬使用量もしかり。遺憾です。

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